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memory of children

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雨の後は――

ED後のサイスコ



ぽつぽつ、
ぽつぽつ、

窓をうつ雨の音。

バラムを覆う、灰色の空。


昼間なのに、暗い空。
夜になれば、不気味な空。


気鬱な自分を更に沈み込ませる音と湿気。
昔から嫌いだった。




きょうはあめだから、まませんせいが「おそとであそんじゃだめよ」っていってた

きょうはうみをみにいくやくそくをしてたのに

うみでおほしさまをみるやくそくをしてたのに

ゼルもセルフィもアーヴィンもキスティも

みんなおそとであそべなくするあめはキライだっていってた

ボクのなまえもあめ

だからみんなはボクとはあそばない

おねえちゃんがいっしょだとあそんでくれるのに

ボクだけじゃ、ダメなんだって――




「――スコール?」

名前を呼ばれて初めてはっとした。
振り向くとキスティスが「大丈夫?」と聞きながら顔を覗き込んでくる。
どのくらいぼんやりしていたのか、スコールは慌ててキスティスに謝った。



仕事を再開しようとしたら――キスティスに執務室を追い出された。
夕方まで休憩だと言われた。
キスティスに命令されると言葉が出てこない。
青魔法なんて俺だって使われたくない。

無駄に時間が空くと何をしていいか解らない。
やっぱり雨の日は駄目だ。
頭は回転しないし、忘れてた筈の古い記憶まで引っ張り出されるし――


ロクでもない。











『おいこらスコール!こんな雨の日にどこほっつき歩いてやがるっ!!』

お叱りの電話だった。、出なきゃ良かった。
俺は即効で電話を切り、電源も切ってやった。ざまあみろ。
フロントガラスを叩くのはそれほど激しさも感じられない雨粒。
何を思ったか、バラム港まで車を出した。
部屋の中でじっとしとけばいいのに、俺って本当に馬鹿だな…
やがて、外気温との差で窓が曇る。
窓を流れ落ちる雨粒を追いかけるように、俺は指でそれをなぞる。
一定のリズムを刻むことがないランダムな雨音をぼんやりと聞いていると、少しだけ頭もぼんやりとしてきた。
寝ていない訳じゃないのに、眠たい。
うとうとしていた俺の意識を呼び覚ましたのは、突然開かれた助手席の扉。
とてつもなく最悪な表情で俺を睨みつけるエメラルドグリーンの瞳。
そして俺に無断で助手席に乗り込んだ。

「…携帯の電源切りやがったな、てめぇ」

「アンタがうるさいから」

「うるさいってなんだ!こっちは心配して電話してやってんだぞ!!」

「誰も心配してくれ、なんて言ってないけど」

売り言葉に買い言葉。
これは昔からだ。ああいえばこういう、というヤツだ。
雨で少し濡れているコートを狭い車内で脱いで後部座席に持ってきた傘と一緒に力任せに投げ込む助手席の男。
…車外に放り出すなら今がチャンスなのか?

「…大体、なんでこんな日に外に出るんだよ」

忌々しそうに相変わらず灰色な空を見上げながら、舌打ちしてそう言った。
俺は黙り込んで、外の様子を見ているだけだった。
特別な理由なんてない。
何か理由や用事があってガーデンを出た訳じゃない。
俺はさっきと同じように、窓の向こうの雨粒を指でなぞる。

「…今日は雨だから、お外で遊んじゃいけませんよ」

ずっと昔、まま先生に言われた言葉を声に出して反復する。

「…雨だって、悪い事ばっかりじゃねーだろ」

「…どうだか」



ぽつぽつ、
しとしと、

ぽつぽつ、
しとしと、

セントラを覆う、灰色の雲。


昼は薄暗く、夜は更に暗くなる。

でも、その後は――


「ああ、やっと止んだな」

雲の切れ間から覗く太陽。
雨粒を受けた草木が青々として、美しい。
暖かい光が雲を割り、青空が顔をのぞかせ始める。

「…おい」

「なんだ」

「満足かよ」

「…少しだけ」

俺がそう呟くと、席を代われと運転席から追い出され、助手席に回される。
切っていたエンジンをかけ、出来たばかりの水溜りを蹴りながら車はガーデンへと戻る。
俺の目には青い空がうつりこみ、暖かい日差しが車内に入り込んでくる。

「今度からは勝手にガーデン一人で出るんじゃねーぞ、いいな」

「…俺に命令か?」

「お前みたいな身勝手なヤツが学園内の風紀を乱すっつってんだよ」

「…それはどっちだよ…」

「あぁ?」

「なんでもない」

突っかかる言い方をしたのはワザとだが、聞こえてない筈がない。
こいつの耳は超がつくほどの地獄耳だから。

「…それによ、俺はそんなに嫌いじゃないぜ」

「なにが?」

「あめ」

そういうと、窓を開けて新鮮な空気を取り入れて俺の方を向いて不敵な笑みを浮かべる。

「なぁ、そうだろ?スコール?」

「…なんだ、嫌味のつもりか?」

さっきまで気鬱だったのに、隣にあんたがいると違う。
太陽と同じように輝く金髪。
鮮やかなエメラルドグリーンの瞳。

俺が雨なら、
そうか、あんたは太陽なのか。

サイファー、
あんたは俺だけの太陽だ。





『雨で20のお題』

2008.10.06 (c)rlrl.

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