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memory of children

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竜騎士と暗黒騎士

OP前のカインとセシル。



俺の親友は暗黒騎士だ。
ずっと親友だと思ってた、小さい頃から、ずっとずっと――
でも、そうじゃなかった。





「カイン!」

カインは背後から呼び掛けられ振り向いた。
暗黒騎士の姿とは正反対な明るい声。重い鎧のままでカインに手を振る。

「いつバロンに戻ったんだい?言ってくれれば良いのに!」

「すまんセシル、でも戻ったのはついさっきだ。陛下に報告に言ってて、お前はその後にって…お前こそ、まだ鎧のままじゃないか」

「カインだって、兜被ったままじゃないか」

ふふ、と笑う幼い頃からの友達のセシルはまた改めて会おうとカインと約束して部屋へと戻っていった。
セシルも部隊を率いてバロン王からの任務を遂行した帰りだった。
兵学校時代はあれだけ毎日一緒にいたのに、今ではお互いに多くの部下を率いる部隊長。
こうして顔をあわせる時間も少ないのが現状だった。


カインが先ほどの広間で壁に凭れてセシルを待っていると、階段を駆け下りてきたセシルがカインの傍まで駆け寄ってきた。

「ごめん!お待たせカイン」

「大丈夫、俺も今来たところだ。セシル夕飯まだだろ?」

「そうなんだ、バタバタしちゃって…」

「なら城下町まで行くか。奢ってやるよ」

「本当に?カインリッチだねー。何奢ってもらおうかなぁー」

「高いのは勘弁しろよ」

などと、あれやこれや考えて余所見をしているセシルを見るのもどのくらい振りか…などとカインは考えていた。
何にしようか迷っていたセシルだが、結局は毎度同じ店で夕飯を食べている。
兵学校時代から通っている、いわゆる定食屋。
おおよそ想像がついていたカインはいつも安心して店内に入ることが出来る。
この店の夫婦もカインとセシルとはすっかり顔馴染みで、毎回笑顔で迎えてくれる。たまにこっそりサービスしてくれるのも顔見知りの特権だ。

「でもカインとこうしてるの久し振りだね、訓練とか遠征で顔すら合わせてないし」

「まぁ、仕方がないだろうな」

仕方がない、まさにその一言に尽きるだろう。
セシルもそうだね、と相槌を打ち、テーブルの上に頬杖をついてすっかり暗くなった外を眺めていた。
注文した料理が運ばれてくると、セシルは一口食べて「美味しい」と言ってにっこり笑った。
満足そうに夕飯を食べるセシルは、目の前に座るカインにふと目を向けた。

「カイン、髪伸びた?」

「え?ああ…放っておいたから伸びたかもな。…お前も伸びてるな」

「そうかな?少し落ち着いたら切るよ。それでなくてもくせっ毛だからね、僕の髪。カインはストレートでいいなぁ…僕も金髪がよかったな」

「…俺はセシルはそのままが良いと思うけどな」

「そう?」

「ああ」

カインはセシルとは目を合わさずにそう言うと、セシルは自分の髪を暫くじっと見つめ、えへへと笑って食事を続けた。

「そういえば陛下に聞いたんだけど、今回の竜騎士団に白魔道士もついて行ったんだよね?」

「ああ、そうだったな。俺は手持ちのポーションで回復したから…」

「ローザも一緒だって。でもローザ達がいれば安心だね、彼女優秀だからさ」

ローザの話をするセシルはどこか優しい雰囲気がある。
ここ数ヶ月でそれに気付いたカインは、それが快く思っていなかった。
親友だと思っていた感情が、まさか違うものだったと確信した今、だからこそ。

「…カイン」

「何だ?…どうしたセシル?」

セシルの方に視線を向けると、いつもは輝いて見えるセシルの瞳が、少し曇って見える。
不安そうな表情だった。

「…ずっと僕の傍にいてくれるかい?」

セシルの突然の言葉にいつもはポーカーフェイスなカインも驚いた。
随分と真剣な眼差しでカインを見つめている。
そんなセシルの問いに、カインの答えは決まっていた。

「…ああ、約束する。俺は…ずっとお前の親友だ」

だが、叶う筈のない願いよりも、ずっと共に肩を並べられる立場を選んだカインは、セシルにそう言った。
セシルは小さく頷き、ありがとうと言った――






ずっと一緒だと約束した。約束してくれたのに――

「…カインの、馬鹿…」

聖騎士となって、喜んでくれるその相手は――傍にはいない。






2008.10.28 (c)rlrl.

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