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memory of children

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恋になる前の話

OP前のカイセシ。




僕には幼馴染みがいます。
優しくて綺麗なローザ。
強くて頼りがいのあるカイン。
僕が振り返ると、よく二人で話しているのを見掛ける。
子供の頃は、「なにしてるの?僕もまぜてよ」って言えるのに、どうして大人になると言えなくなるんだろう。
僕は二人とは少し違う。
それは境遇もあるけど…よくわからないけど、みんなとは違うって感じるんだ。



最近飛空艇団は少し暇だ。
陛下のご命令が下るのは、最近カインの竜騎士団の方がもっぱらだ。
だから僕たちが城で訓練ばかり。
陛下にお願いして今日はお休みを貰った。もちろん全員分の。
ストレスだって溜まってると思うし、こういう日は必要だから。

日が沈んだ頃。
僕は思わぬ収穫があった。
僕が今両手に抱えている茶色い紙袋がそれだ。
すると、目の前には見慣れたながーい金髪がひょこひょこ動いてる。
僕はその背中に呼びかけた。

「カイン!」

「セシル。どうした?嬉しそうな顔をして」

「うん、すっごく良いことがあったんだ。カインこれから予定とか、ある?」

「いや、帰ろうと思ってた所だ」

「明日は?」

「明日?明日は…これといって何も無いけど」

カインのそんな言葉を待ってた!
僕は更に嬉しくなった。
実はここだけの話…僕は最近カインが気になる。
昔からずっと一緒にいるのに、それ以上に『何か』を求めてる。
でもこれは絶対に言えない。
カインに僕のこの気持ちは打ち明けないつもり。だってカインには嫌われたくないんだ、絶対に…
だから、僕はずっと親友のままでいようって決めたんだ。
そしたら、年をとってもずっとずっと一緒にいられる。

「じゃあ、今日は僕の部屋に泊まらない?」

「え?」

「たまには良いでしょ?昔みたいにさ。それに最近カインとゆっくり話し出来てないし……あ、でもカインの都合に合わせるよ!」

僕の都合を押し付けるわけじゃないけど、カインと昔みたいに夜中まで夢中になって話し込んだりしたんだ。
でも、今日は神様も僕の味方みたいだった。

「最近俺も任務ばっかりだったから、陛下が明日休みを下さった。それじゃ、明日はお前の部屋で昼まで寝てやるよ」

「大丈夫、朝は僕がちゃーんと起こしてあげるから」

「冗談言うなよ!お前の朝がどれだけ早いかなんて嫌でも知ってるんだからな!」

そうだ、昔もこうやって心から笑みがこぼれてきてた。
悩みも、何も無い子供の頃。
今日一日だけでも、そんな日に戻れたら………




「それで、さっきからお前が大事そうに抱えてるそれはなんなんだ?」

「これ?良くぞ聞いてくれましたぁ~。これはね、前に飛空艇団にいた仲間からの贈り物なんだ。僕ももらってきちゃった」

「それって、もしかしてファブールでモンク僧になるって意気込んでバロンを飛び出した奴か?」

「そうだよ、カインよく覚えてるね」

「わざわざファブールに行ってモンク僧になる奴なんて滅多にいないからな、余計にな」

僕も中身は知らない紙袋を開けると、手紙と一緒に色々な物が出てきた。
更に包みが出てきたそれを開くと、白くて丸い物が三つ。
それと何かの容器のセット、と細かく切った葉っぱの入った小さな袋。
カインと顔を合わせて首を傾げる。
僕は手紙を広げると、ファブールでの修行の事、そして今回の包みの正体が書かれていた。

「手紙はなんだって?」

「えーっと…ファブールで使われてるお茶のセットと、特産品だって」

「と、いうことはこの白い丸いのが食べ物なのか」

「なんだろうね?割ってみたら解るんじゃないかな?」

食べ物と聞いて僕は更にわくわくした。
バロンの外の世界は本の中や陛下の任務で行くだけで何も知らないから。
小さいナイフで白い丸い物を真っ二つに切って中身を確かめる。

「わっ、すごいふわふわしてる」

「パンか何かか?」

「いい匂い~。中にも色々入ってるけど…なんだろ?食べてみようかな?」

「お前本当に食い意地が張ってるというか…」

「だって僕お腹減ってるんだもんー。ほら、カインも食べてみようよ。美味しそうな匂い!」

中身はまだよくわからないけど、ほわんと美味しそうな匂いと暖かい湯気が僕のお腹が早く食べろーって催促するんだよね。
半信半疑でじーっと睨みつけるカインに割った半分を渡して、僕とカインはほぼ同時にそれを食べた。

「なんだろ?なんだか解らないけど美味しい~~~~!」

「構造的にはパイに近い感じだ。…しかし美味いな」

「ファブールってこんな特産品あったんだねー、今度ファブールに行ったら買って帰ろう!」

「暗黒騎士の格好でか?怪しまれるぞセシル」

「カ、カインだって竜騎士の格好のままで買い物するだろ?変わらないって!」

「…まぁ、そうだな」

でも良い部下をもったな、なんていうカインに僕は視線だけカインに向けた。
そういえば、カインが他の竜騎士と話をしたりというのは僕の見た限りではないような気がする。
僕は任務の時以外でも食事に誘われるときだってあるし、里帰りした仲間からこうやって食べ物を貰うことも少なくは無い。
でも、カインはそんな話すらしない。

「…カインは」

「なんだ?」

「竜騎士の仲間と話したりとかは…しないのかい?」

「そうだな…そう言われればそうかもしれないな。俺はセシルみたいにみんなで仲良くっていうよりも一人でいるほうが落ち着くんだ」

カインは一匹狼っていうのかな、子供の頃からそうだった。
僕やローザとは一緒にいたのに、他の子とは遊んだりしなかった。
僕も昔は友達はいなかったけど…昔はカインとローザがいてくれたから寂しくなかった。
今だって…カインとこうしてる何気ない時間がすごく落ち着く。
でも、カインは……
僕の頭の中には、ローザと一緒にいるカインの後姿が鮮明に思い出された。

「…カイン、ローザと仲良いんだね?よく二人で話ししてるの見るから」

「え?そうか…?お前こそローザにべったりじゃないか」

「そ、そんな事無いよ。白魔道士団とはよく一緒になるだけだし、偶然だよ」

「なら、俺も偶然だ」

「ふーん…」

偶然、なんだ。
僕はカインの言葉に納得するしかなかった。
納得って言うか、自分に言い聞かせるって言った方が合ってるのかもしれない。
やっぱり子供の頃みたいには出来ない。
大人になれば全部変わってしまうのかな?
三人の関係も、時間を共有するのも、全部――
これが、『友達』の限界なのかもしれない。
そう、僕は思った。











幼い恋で10のお題
『2.なんだか変』
二人が食べてるのは肉まんあたり。
2008.10.31 (c)rlrl.

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