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memory of children

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誰かを喪うのは怖い

OP前のカイセシ。(死に纏わる話になります)




些細なことから始まって、それは大きな傷として残る。

僕は訓練中に怪我をしてしまい、部屋で眠っていた。
兵学校を卒業して、僕はまだ進むべき道の分岐点の前で迷っていた。
幼い僕を拾って下さった陛下への恩返しをしたい。
でも、僕に出来るだろうか?
訓練で怪我をして、部屋でこうして安静にしている僕に、前線に立って剣を振るうことが出来るのか。
そんな不安ばかりが募る。
ローザは白魔道士団に入ることが決まり、カインだってお父さんと同じ竜騎士になるだろう。
でも――
僕がそんな事を考えていると、扉をノックする音が聞こえて振り返った。

「はい?」

「俺だ、セシル」

カインの声だ。
僕はベッドから起き上がって扉を開けると、カインは僕を見て微かに笑ってくれた。
カインを部屋に招き入れて、僕は再びベッドに腰掛ける。

「…怪我はどうだ?」

「大丈夫だよ。薬も貰ったし…でも、暫くは訓練には戻れない、かな…」

「…良い機会だと思って、ゆっくり休めば良い」

「…そう、だね…」

カインは俯いたまま僕とそう話した。


先日、カインのお父さんが亡くなった。
突然の訃報に僕もローザも動揺を隠せなかったし、カインになんていえば良いのか解らなかった。
でもカインは、いつもと同じだった。
大人になってから、口数が少なくなったカイン。
僕はなんだか寂しくなった。
僕はリチャードさんの葬式に出れなかった。
丁度訓練と重なってて、それから今日までカインにも会ってなかった。
こうして改めてみるカインは、少し痩せたように見える。
ローザからは無理な訓練を何日も続けているとこっそり聞いていたから、少し心配だった。

「…ごめんカイン、葬式行けなくて……」

「いや…お前が気にすることは無い」

「でもカイン…無理な訓練してるって聞いたよ。もしそんな事して、体壊したりしたら元も子もないから、さ……」

お節介だとは思いつつも、僕はそう言うけど…カインは何も言わなかった。
ずっと、俯いてるだけ。
やっぱり怒らせてしまったのだろうか、僕がカインの顔を覗き込む。

「…カイン…」

「…すまない、セシル……」

カインは、泣いていた。
肩を微かに震わせて、片手で顔を覆っている。
僕は怪我で痛むのも構わずにカインを抱き締めた。
カインは僕の背中に両手を回して僕を抱き返してきた。
カインの涙で濡れるのが解る肩の感触。
胸が、心が痛かった。
ずきずきと怪我したように痛む胸をそのままに、僕もカインの肩に顔を寄せる。

僕に両親はいない。
でも陛下やローザ、カインがいてくれる。
みんながいてくれるなら…それでいい。

だから、カイン。
泣いても良いよ、悲しむのは悪い事じゃないから。

















親父を失って、悲しかった。辛かった。

二度とこんな悲しい目に遭いたくない。

だから、

俺は竜騎士になり、お前を支え、守る。


親父と、この誇りに誓っても、お前を守る。



セシル――



別れに関する30のお題
『16.失いたくない願い』
2008.11.01 (c)rlrl.

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