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memory of children

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ローザ様が見てる 2(半ギャグ)

幼少時代で幼馴染み三人衆。




「カイン、こっちへおいで」

俺がまだ小さい頃だった。
親父のリチャードが俺を部屋から呼び出し、何かと思えばそのままバロン城へと連れてこられた。
親父は竜騎士で、俺も城には何度か足を運んでいた。
今日も親父の仕事のことかと思った。
でも、連れてこられたのはバロン王の御前だった。
さすがに陛下に会うのは初めてだった俺は少し緊張していたと思う。

「ほう、リチャードの息子か。緊張しなくとも良いぞ」

陛下は昔からお優しいお方で、豪快なお人だった。
だが、陛下の目の前に現れた奴に俺はまた驚いた。
長い銀髪の…女の子だと思った。
その瞬間、俺は感じたことのない感覚が胸のうちにあるのを覚えている。

「セシル、ハイウィンド親子にご挨拶しなさい」

「…セシル・ハーヴィです。お目にかかれて光栄です、ハイウィンド様」

やはり女の子だと声を聞いて感じたが、セシルはそれくらい愛らしかった。
その時初めてセシルに会った。
家に帰ってからも親父は可愛い子だったと言っていたと思う。
セシルは孤児だった。
陛下が偶然セシルを拾い、育ててきたのだとその時初めて聞いた。
歳の近い俺と、ファレルの令嬢のローザがセシルと交流し始めたのもその頃からだ。
ローザは妹が出来たようによくセシルの長い銀髪を結わえて遊んでいた。
だが、同い年の男の子はよくセシルをいじめていたようだが、負けん気も強いセシルはよく喧嘩はしていた。
長い髪を引っ張られても殴りかかっていた。
俺がその時は蹴散らしてやったが、綺麗な服がすっかり泥まみれだったし、はじめて見たときから綺麗だと感じていた銀髪も引っ張られてぐしゃぐしゃだった。

「…あんなバカ、ほっとけよ」

「…逃げるの、イヤだから…」

「…へぇ、お前根性あるな」

最初は女みたいな奴、なんて俺も思ってた。
でも、泣きもせず、助けも求めずに一人でなんとか解決しようとするのは今と変わらない。

「…そのカッコで帰ると陛下がご心配なさるから、俺ん家こい。服貸してやる、ついでに顔も洗えよ」

「…でも、そんな…」

「いーんだよ!それに、今度からちゃんと名前で呼べよ。”ハイウィンド様”とかはナシだからな。呼び捨てで呼べよ!いいな!」

「…はい…」

「敬語も大人だけに使えよ、俺たち子供だぜ?」

「……うん、ありがとう。カイン…」




随分と昔の夢を見ていた。
俺は朝食に誘ってくれたセシルの顔を向かい合わせの席に座ってぼんやりと眺めていた。
セシルが俺に気付いて、ぴとっと朝食のサラダに入ってるたまねぎを俺の頬にくっつけてきた。

「な、何するんだ!」

「カイン寝ぼけてるみたいだったから起こしてあげたんだよ?」

「でもお前、なんでたまねぎ…」

「たまねぎ好きじゃないからカインにあげるよ、食べて」

「お前、な…」

セシルは俺の皿にたまねぎだけ器用に避けて投げ入れる行為を繰り返す。
まるで子供だ。

「…なぁセシル」

「なに?」

「たまねぎ食べて欲しいなら、”食べてください、カイン様”って言え」

「…カイン、頭でも打った?大丈夫?」

「言わないとお前の皿に戻して食べるまでここを出さんぞ」

「………」

セシルは黙り込み、俺の皿に移したばかりのたまねぎの小さな山をじっと見つめていた。

「……食べてください、カイン様…」

「ん、よろしい。食ってやろう、セシル君」

うん、たまにはこういうのも新鮮でいいかもしれない。

が、こんな事が許される訳もなく。

「…あ、セシル俺の茄子も食ってくれ」

「………」

「…セシル?」

「……”食べてください、セシル様”って言えたら食べてあげるよ?」

「なっ…!?」

「ほら、冷めちゃうから早く早く」

「く、そ………食べてください、セシル…様」

「おっけー、いいよ。食べてあげようじゃないかカイン君!」

セシルは天使のような笑顔で俺の茄子の肉詰めを平らげた。
余計なことするんじゃなかった、と俺は後悔した。




「ローザ、悪いがケアルかけてくれないか?」

「ええ、”治してください、ローザ様”って言ったらケアルかけてあげるわ」

「(聞かれてた!?)」

その時のローザの微笑が忘れられなくなった俺であった。
2008.11.06 (c)rlrl.

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