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memory of children

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早く元気になってね。

お題小説消化(その2)。




「大変大変たいへ~~~ん!!!!」

朝一番。
誰もが起き抜けで眠たいであろうこの時間。
エーコの声がアレクサンドリア中に響いた。

「何の騒ぎじゃエーコ」

「フライヤ!ちょっときて!今すぐ来てとにかく大変なのよ~~~~!!」

エーコがフライヤを引っ張って城を駆け抜けた先には――

「あ、エーコ。フライヤも一緒なんだね」

ビビが自分の冷魔法で出した氷がいつくか入った入れ物を持って目の前に現れた。
ここはリンドブルムのタンタラスのアジト。
ちなみに劇団員は全員出払っている。

「ビビ!様子はどうなの!?」

「今眠ってるから大丈夫だよ」

「して、ビビ、エーコ。一体何が遭ったと言うのじゃ?」

「それがね…」

エーコがじたばたと身振り手振りを加えながら今しがた引っ張ってきたフライヤに全ての事情を話した。




「フライヤ!」

案内された部屋の先にはガーネットが椅子に腰を下ろしていて、笑顔でフライヤを迎えてくれた。

「ガーネット、久し振りじゃな」

「こちらこそ。…あ、今日はエーコに連れられたのね?エーコってば大袈裟なんだから…」

「だ、だってぇ~~~!!」

と、話の中心にされている人物といえば…

「ジタン!氷持ってきたよ、氷嚢換えるね」

ベッドの上でぴくりとも動かないジタンに、ビビは驚きもせずに氷嚢の中の氷を入れ替える。
たまに聞こえるのは彼がベッドの上で鼻水をすする音だけ。
くるりと顔が振り向けば、ずいぶんと酷い赤ら顔だった。

「…あで、ふだいや…」

「ジタン…おぬしもしや風邪か?」

「…」

ジタンは答えずに鼻水をすするだけ。
ガーネットはクスッと笑ってジタンの額のタオルを取り替える。
エーコは「ジタンしんじゃいやぁ~~~!!」と不吉なことを言うばかり。
フライヤも珍しいものだとジタンの様子を見つめるだけだった。

「ジタン、熱が出るの初めてなんだって」

ビビがそういうのを聞いて、フライヤは目を見開いた。

「まさか…その歳で知恵熱なのか?」

「うっせー…うぇ…」

「さっきまでミコトとクジャがお見舞いにきてたの。二人も驚いていたわ」




数刻前――

「まさか…考えられないわ、だって知恵熱というのは主に幼児が出す原因不明の熱の事なのよ?
まして16歳にもなるあなたが知恵熱なんて…理解不明だわ…」

「君は見かけも中身も同じだということだね。思わず天晴れと賞賛を送りたくなるよ」

「うぅ…てめぇら何しにきやがったんだ―――!!!!」



と、ミコトとクジャの巧みな精神攻撃でジタンの熱は更に上がり、もう既にこうして呼吸をしていることも苦しいわけなのだ。
調子が悪いと頭も回らない。いつもの軽口が飛び出してこないジタンはどうも…いや、激しく違和感がある。
それを一番に感じているのは間違いなくガーネットであろう。

「そういえば…皆の姿が見えぬが、どこへいっておるのじゃ?」

「マーカスさんとシナさんとルビィさんは町まで買い物で、バクーのおじさんとブランクさんもどこかへ行っちゃったんだ…ボクがここに遊びに来たらいきなり”ジタンを任せる!”って頼まれちゃって…」

「丁度私も一緒だったの。あ、スタイナーも一緒に来てるんだけど…マーカスさんたちと買い物に」

「なるほど…私にも手伝えることがあればなんでもいってくれ。少々情けないのじゃが…」

「じゃあエーコの用事に付き合ってちょうだい!エーコも買いたい物があるのよね!」

「じゃあボクはお留守番…」

「なに言ってるの!ビビもエーコとフライヤと一緒に行くの!」

「えぇ、どうして??」

「もぉ~~!!行くわよビビ、フライヤ!!」

「わぁ!エーコ引っ張らないでよ~~!!」

エーコがビビの手を引っ張って部屋を出て行くと、フライヤは部屋に残るガーネットに「行ってくる」と声を掛ける。
ガーネットは笑みを浮かべて頷いて扉が閉まるのを見届けた。

ガーネットはベッドでぐったりしているジタンをちゃんと寝かせ、ずれ落ちているタオルを再び額に乗せる。
薄らと青い両目を開いたジタンに、ガーネットは少し安心した。
ケアルの詠唱をし、少しでもジタンの辛さを軽減しようとする。

「…私が初めて熱を出したのは、6歳のとき」

ガーネットが優しく語り始めると、ジタンは黙ってその話に耳を傾ける。

「お父様もお母様もベアトリクスも大騒ぎして、その日はずーっとお母様が私の傍にいてくれたわ。私が悪い夢に魘されないように、私が寂しくて泣き出したりしないように…」

「だから、ジタンが悪い夢を見ないように、寂しくないように、私が傍にいるわ」

「…寂しくて泣くような歳でもねーんだけどなぁ…」

「あら、泣きたいときは私の胸を借りるんじゃなかったの?」

「あれ?胸貸してくれるの?それなら大歓迎――」

すかさず起き上がったジタンにガーネットが枕を押し付けて立ち上がると、腰に両手を当ててジタンを見下ろした。
少し怒った表情のガーネットは久し振りで、ジタンはニッと笑みを浮かべると、ガーネットも堪え切れずに笑ってしまった。
ガーネットの笑った顔を見るのは随分と久し振りなような気がした。
風通しの良くなるように開かれた窓の外からは町を往来する声、笑い声や客引きをする声が聞こえる。

ガーネットはいつものように小さな声で歌い始める。
記憶の奥底でいつまでも彼女を守り続ける歌声。
記憶の中にある歌を、ガーネットは以前と同じように歌い始める。
ジタンはガーネットの歌が好きだった。
その歌声を聴きながらいつの間にか、眠ってしまっていた。












『貴方のために5つのお題』
歌う

2008.07.15 (c)rlrl.

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