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memory of children

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恋が実るときは

『赤き翼』の部隊長と白魔道士の少女。(少女はオリキャラです)




私は白魔道士団に所属している、どこにでもいる女の子です。
でも、今日は少しだけ皆と違った日になった。



「ローザ、明日は遠征よね?」

「ええ、月日が経つのは早いものね」

「じゃあこれ。ローザが元気で帰ってこれるおまもり」

「あら…でもこれって…」

「いいの、ローザに持ってて欲しいの。明日気をつけてね」

ローザとは学院からの友達で、ご飯を食べる時やお休みの時は彼女と一緒にいます。
彼女は昔から綺麗だったけど、白魔道士団にいる今もとっても綺麗。
でも明日から遠征で、今日はこれでお別れ。
ローザに私のペンダントを渡したの。小さい頃から身に着けてるおまもり。
大好きなローザに持ってて欲しいから。

「…ありがとう、帰ってきたら必ず返すわ」



私はバロン城の中にある書庫によく足を運ぶ。
白魔道だけじゃなくて、色々な本があるからとても興味深い。
お城で働いてる特権よね、こういうのって。
だから今日も私は書庫の扉を開けた。
受付の女の子は目が合うと笑って手を振ってくれる。彼女も同じ学院の友達。
借りていた本を返して、新しい本を探しに本棚に向かう。
新しい本もいいけど、古い本もとても魅力的。
最近は黒魔道の本が気に入っていて、私のお目当ての本は……あった、これだわ。
私が本棚から本を抜き取ると、後ろにいた人に腕が当たってしまった。

「あ、ごめんなさい…」

私が振り返って頭を下げて謝ると……

「いえ、こちらこそ……あれ?君って…」

私の背後にいた人、私が腕を当ててしまった人。
私より一つ年上の『赤き翼』の部隊長。暗黒騎士。
でも今日は暗黒騎士の鎧じゃなくて、隊服を着ている。――セシルさん!

「君って…ローザの友達の子、だよね?」

「は、はい」

「あ、思い出した!ホーリー、だよね?名前は…」

すごい、覚えててくれたなんて……
セシル部隊長はローザに負けないくらい綺麗な人で、ファンの人もとっても多い人気者。
そんな人と会話出来るなんて、今日はとても素晴らしい日だわ。

「名前、覚えてて下さったんですね…」

「ローザの友達だし、この国じゃ黒髪なんて珍しいし、確かお父様がバロンの人じゃないんだよね?」

「は、はい。エブラーナ国の人間でして……」

「エブラーナかぁ…あの国は魔法とは違う術を使うって聞いてるよ」

綺麗で博識なセシル部隊長。
みんなこぞって噂してる。
ローザとお似合いなのはセシル部隊長だけだって。
ファンがたくさんいるのも本当に納得できるくらい優しい物腰の人だわ。

「…あの、セシル部隊長…」

「”セシル”、でいいよ。任務のない時は一人の人間として接して欲しいんだ」

そういって、目の前で微笑むセシル部隊長。
私はとても気になった。
やっぱり、この人はローザと…?
もちろんそうだとしたら、ローザを応援してあげたい。
でも、ローザ以外にこの人の心を捕らえる人がいるとしたら…それは誰?
赤の他人なのに、そんな事がとても気になった。

「…セシルさんは、その…変な質問なんですけど…好きな方って、いらっしゃるんですか…?」

「僕の、好きな人?」

「あ、いえ。その…気になってしまって……セシルさんはバロンでも人気の方ですから、そんなセシルさんが好きな人って、どんな人かと気になって……」

やっぱり変な質問をしてしまったのだと思う。
部隊長…セシルさんは口を閉ざして、手にしている本を本棚に戻して、別の本を手に取った。

「…ホーリーは、好きな人がいるかい?」

「え?えっと……はい、います…」

「”好き”っていう気持ちはとても不思議なもので、言葉にしようとしてもなかなか表現できない。だから、行動で示す人は多いと思うんだ。
手を繋いだり、抱き締めたり、笑い合ったり……でもそれって、すごく自然な事だよね?だってお互い好きなんだから。
…僕はね、臆病だから言葉にするのも行動で示すのも出来ない人間なんだ。本当はこの気持ちを伝えたい、でも、それを伝えた途端にお互いの関係が変わってしまう……
僕はそれが怖い。
…おとぎ話のように素敵な恋に憧れてる…って言っておこうかな」

「……ありがとうございます」

「ううん、僕の持論ばっかり話しちゃってごめんね」

「いいえ!…私、セシルさんに背中を押してもらえたように思います。……セシルさんの恋、実る事を願ってます」

「…ありがとう、ホーリー」

セシルさんはローザと同じように優しく微笑んでくれた。
そして、私は気付いた。
セシルさんの好きな人は……ローザじゃない。
きっと、ローザもそれに気付いてるんじゃないかって………

私はこの日の事を、生涯胸に仕舞っておく事を誓った。







あの日から数十年が経った。
私は今では学院で白魔道士の教師として教鞭を取っている。

セシルさんがバロン国王陛下になっても、擦れ違えば言葉を交わして下さる。
今、彼の隣にはローザがいる。
そして、もう間も無くお子さんも誕生なさると聞いた。
日に日に大きくなるローザのお腹を私は毎日見ている。彼女との友情は今でも変わらない。

幸せそうに微笑むローザの笑顔には、何かが隠れている。私にそれが解る日はきっと来ない。


年を重ねられても美しいセシルさん。
セシルさんが昔おっしゃっていた恋は、実ったのだろうか?
彼の言の葉は、想い人に届いたのだろうか……

一介の魔道士の私には、何も解らない。





2008.12.12 (c)rlrl.

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