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memory of children

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今日は扉から失礼します、女王様。

お題小説消化(その3)。




「それじゃフライヤ、また遊びに来てね!歓迎するわ!」

「エーコも一度ブルメシアに来てくれ、大分復興作業も進んだことじゃ」

「勿論よ!是非行かせてもらうわ!」

エーコはフライヤに手を振ってリンドブルム城へと消えていった。
フライヤもエーコの姿を確認できなくなるまで見届けると、リンドブルムに背を向けてその場を後にした。

あの戦いから幾つもの日が過ぎていった。
リンドブルムもアレクサンドリアもブルメシアも復興作業が着々と進み、元来の姿へと戻っていった。
人々には笑顔が戻り、町にも明るさが戻っていった。



『エーコへ

元気ですか?わたしも元気です。
この前は手紙ありがとう、とっても嬉しかったわ。
シドおじ様やヒルデ様とは上手くいってるかしら?
今度のお手紙ではリンドブルムの事をもっともっと知りたいです。
エーコの前の手紙にあった通り、アレクサンドリアの現状を書きます。
まず、女王の仕事はとても大変よ。お父様やお母様は毎日こんな激務に追われていらっしゃったのね…
でも大丈夫、わたしの傍にはとても立派で頼もしい騎士が二人もいるんだもの。
不安なことや心配なことはまだまだあるけれども、立派な女王になる為にこれからも頑張るわ。
お父様とお母様が愛したこの国を、民たちを裏切らないためにも。
また、エーコとマダイン・サリにも帰りたいわ。
たまに寂しくなって、あの召喚壁を思い出すの。
そうしてあの歌を歌うの。そしたらとても勇気が湧いてくるの。不思議よね。
さぁ、そろそろ仕事に戻らないとベアリトクスに怒られちゃうわ。
今度はエーコの番ね、また楽しいお話を色々聞かせてね。

追伸:ジタンは…そっちのアジトにいるのかしら?』


クリスタルワールドでクジャを倒し、この世界を無に還そうとした敵も倒したあと。
ジタンはクジャを助けるためにイーファの樹に戻った。
だが、彼は生きていた。
クジャを黒魔道士の村へ送り届け、皆の前に姿を現した。

「死ぬのをただ待つだけが人生じゃねーんだ。どう生きるかが人生じゃないか?」

ジタンは笑っていた。
すっかり自分の死を目の当たりにし、覚悟を決めていたクジャにはどれほど大きな言葉だっただろう。
周囲を見れば、笑っている黒魔道士の子供たちに、戸惑いながらも生きるジェノムたち。
彼らは「生きている」のだ。
命の尺なんて関係ない、どれだけ短くても、その一瞬一瞬を大切に生きればどんなに小さな一日だとしても充実している。輝いているのだ。

「まぁ…なんか今更で恥ずかしいけど…家族が見つかってよかったっていうか…うん、まぁ、そんなカンジ」

また、ジタンは笑う。
でもそう笑って話していたジタンは、翌日には現れなくなった。
劇場艇もリンドブルムから既に飛び立った後で、誰に聞いても行き先は知らないというばかり。
ガーネットの心は揺れていた。
ジタンには自由が似合う。でも、飛び去った鳥は何度も同じ地では羽を休めない。

ジタンもそうなの?
アレクサンドリアやリンドブルムでは安心して羽を休められないの?
見つめるのはジタンの背中ばかり。

「応援してるぜ、女王様!」

そんな笑顔を浮かべるジタンが、夢に出てくるばかりで……
私もジタンの背中を押してあげたいのに、私達だけでは力不足なの?
ねぇ、ジタン――





「よぉおっさん!ダガーいるか?」

「ジタン!おぬし今までどこをほっつき歩いておったのだ!現れたと思えばすぐに姿を消しおって!女王陛下への挨拶もなしに!!」

「まぁまぁそう怒るなって。だからこうして来たんだろ?来週からアレクサンドリアで公演が始まるから挨拶に来たんだ。ほら、おっさんもベアトリクスと見ろよ!」

ジタンは芝居のチケットをスタイナーに押し付けるとそのまま脇を通り抜けて城内を駆けて行った。


広いアレクサンドリア城の階段を上ったり下りたりを繰り返し、ようやく辿り着いた一枚の扉。
ジタンはこほん、と咳払いを一つして扉をノックした。
返事を待たずにそっと扉を半分開けたところでバタンッ!と勢いよく閉じてしまい、ご丁寧に鍵までかけられてしまった。

「あ、あれ?あのー、ダガーさん??」

「どなたかしら?」

「え、えーっと…盗賊です」

「わたくしにそのような友人はおりません」

「う……」

「わたくしは忙しいのです、御用がおありでしたらベアトリクス将軍を通して下さいます?」

冷たい。
非常に冷たい口調がジタンの頭や胸を突き刺すが、ここで背を向けるわけにはいかない。

「…女王陛下、お届け物に上がりました」

ジタンは考えた末に赤い絨毯の上にひざま付き、胸に手を当てて頭を下げた。

「あなた様の友人から言付かったお言葉をお伝えに参りました次第でございます」

「……なんでしょうか」

ぼそりと扉の向こうから聞こえる小さな声に、ジタンは顔を上げて声を高々として言った。

「女王陛下、この度は我がタンタラス団の公演にご招待したく参上いたしました。芝居のチケットを持参いたしましたので、是非ご覧下さい」

「でしたら、それもベアトリクス将軍へ――」

「ダガー、急にいなくなってごめん。今度からどっか行く時は手紙でもメモでも残して行くから!
…オレは、いつでもダガーの味方だ、応援してる」

彼女の言葉を遮るようにジタンはそういった。

「――以上でございます」

と、締め括ると、扉が開いてジタンの顔に枕が見事に命中した。

「バカッ!ジタンはすぐにいなくなるんだから!!勝手な行動が多すぎるわ!!」

「ご、ごめんって謝ってるだろー?あんまり怒るとせっかくのカワイイ顔が…いてっ!」

「ジタンってば女の子にはみんなそういう事言うのは知ってるのよ、本当にもう!」

「大丈夫!今は麗しいアレクサンドリアの女王陛下にしか言わないさ!」

「もう!出て行って!!」

ガーネットはジタンを部屋から追い出すと、すぐに追いかけてきたスタイナーに城から放り出された。
しかし目的を達成したジタンは軽く伸びをしてそのまま劇場艇が停泊している城外まで戻っていった。

ガーネットは部屋の前に落ちていた芝居のチケットを拾い上げ、頬を緩めた。
そこにはジタンのありのままの言葉が書き綴られていた。
ガーネットは大切にそのチケットを胸に抱き締め、執務に戻っていった。







『貴方のために5つのお題』
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2008.07.16 (c)rlrl.

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