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memory of children

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4日遅れのメリークリスマス

現代パラレルでカイセシクリスマス文(+3000HIT御礼文)




今日は、12月29日。



学校も冬休みに入り、セシルは部屋で一人朝食を食べて学校からの課題を片付けていた。
朝から静かで、一人では広すぎる部屋でセシルの携帯が着信を告げた。
教科書と参考書をじーっと青い瞳で見つめたまま携帯を手にとって液晶画面にやっと視線を向ける。

一本の電話がセシルの今日の予定を変えた。



12月下旬から降り出した雪は、徐々に間隔を狭めて街を白く覆い尽くす日々を重ねている。
街行く人はみんな寒そうに温かいコートを羽織って、同じく温かいマフラーを首に巻いていた。
セシルもいつもは一つで結んでいる緩いウェーブのかかった髪を今日はそのままにして街に出ていた。
足を向ける場所は駅前。
セシルはマンションから歩いて10分も掛からない目的地まで向かうと、既に約束の相手は彼を待っていた。
長いストレートの金髪を緩く結び、セシルを見つけると柔らかく笑みを浮かべた。

「ごめんカイン、寒かったでしょ?」

「5分と待ってないから平気だ。お前こそもう鼻の頭が赤いんだけど」

セシルは指摘された鼻を首に巻いたクリーム色のマフラーで隠した。

「…それで、今日は何なの?急に外に呼び出さなくても電話で済む話じゃないの?」

「悩み相談するんじゃないんだから、電話で済む訳がないだろ」

「へぇ、カインでも悩むことがあるんだ?」

「言ってくれるな」

セシルが意地悪そうにそう言うと、カインも負けじと意地悪そうに笑ってぐい、とセシルの手を引っ張った。

「4日遅れのクリスマス、やるぞ」

「え、えぇ??」

カインのいきなりの発言に、セシルは引っ張られるまま12月の寒い街へと引っ張りまわされた。
クリスマス、といってももうどこにもそんな面影は無かったように既に年末・年始のバーゲンの準備をしている所ばかりだった。
クリスマスというにはあまりにも雰囲気はないが、セシルは以前、カインにこんな事を言っていた。





「――ねぇカイン、君の家でも”クリスマス”ってやるものなのかい?」

「は?なに言ってるんだお前」

「だって今日イヴでしょ?みんなそんな話ばっかりなんだもん」

「そりゃそうだろ」

「カインもクリスマスやるの?」

「さぁ…クリスマスって言ってもケーキ食べるくらいじゃないのか?」

「キリスト教徒でもないのに?」

「一種の祭りだと思えば良いんじゃないのか。子供の日とか雛祭りとか誕生日と一緒だろ」

「ふーん…そっか、そうだよね」





周囲がクリスマスで浮かれている中、クリスマスの必要性と意義がずっと疑問だったセシルはつい1週間前にこんな事を聞いていたのだ。
まさか、彼はそれを思い出して今こんな事をしているのだろうか?
セシルは再びそう首を傾げた。

「…カイン、何で急にクリスマスなの?ケーキ食べそびれたとか?」

「…別にケーキ食べなくたって良いだろ。俺甘い物そんなに好きじゃないし」

「じゃあどうして?」

「どうしてって…俺だって、誰かさんとクリスマス過ごす権利はあるだろ?」

カインがそういうと、暫く”誰かさん”を考えていたセシルが質問攻めを止めた。
どうやら”誰かさん”が誰なのか思い浮かんだようだ。
カインと”こういう仲”になって早3年。こんな恋人らしいシチュエーションは残念ながら今まで皆無だった。
それをつい1週間前のセシルとの会話で4日過ぎの遅いクリスマスを一緒に過ごすぞ、と言ってくれるとは想像もしていなかった。
ただの疑問をぶつけただけの事が、こんな事態になってしまうとは。
こんな事なら早めに聞いておけばよかったとセシルは一瞬思った。

「…でもさカイン、なんで外でクリスマス?寒いのに…」

「他に思い浮かばなかっただけだ。遠出するほどの気力はお前にないだろうしな」

ごもっとも、とセシルは頷きたかった。
それでなくても寒がりなセシルの性格をよく解っている恋人で緩む頬をセシルは再びマフラーで隠した。

「…セシル、お前何色が好きだっけ?」

「え?うーん…なんだろ…青紫?」

「そうか、じゃあこれ」

へ?とも、なにが?とも、聞き返す間も無くカインがセシルの向かって右側の耳に触れる。
邪魔なのか、横髪を片手でかき上げて器用に何かをしている。
ほら、と手を離されると、触れられた耳に触れる。
柔らかい耳朶の感触と、固くて冷たい感触がした。
目の前のショーウインドのガラスに自分の姿を映して見てみる。
と、耳を飾るのは青紫色の小さな石だった。
セシルの白い肌に明るく照明を反射して光る青紫色の石。

「…僕、誕生日まだ先だけど…」

「お前、クリスマスプレゼントって知ってるか?」

「え、でも悪いよこんなの…」

「良いんだよ、俺がやるって言ってるんだから」

「…うん…」

でも、正直嬉しかったセシルはほんのりと頬を赤らめていつもは嫌いなひんやりとつめたい感触に何度も触れる。
すると、セシルはぱっと何かを思いついたように顔を上げた。

「じゃあ、僕もカインにお返ししなくちゃね」

「え?別に良いけど…」

「だってクリスマスだよ?僕とカインの初めてのクリスマスなんだから!」

セシルはね?と笑って言うと、カインはそんな笑顔に勝てる筈もなく、はいはい、と頷いてしまった。
そのままカインのコートの裾を引っ張るようにセシルは12月の街を早足で歩いていった。








「あらセシル、綺麗なイヤリングね?似合ってるわ」

「ありがとう、ローザ」

「でもそのイヤリング…思い出したわ、確か雑誌に載ってたイヤリングね。3000個しか作られてない特別な物なのよね?」

「え、そうなの?」

「そうよ、それに3000個それぞれ微妙に色合いも違って、同じ色の物がないんですって。ロマンチックだわ」

ローザがそう言うのを聞いて、セシルはまたしても頬を赤らめた。
”偶然見つけた”、とカインは言っていたが、その真偽はセシルにはわからない。
ただ一つ解るのは、
カインが、ちゃんとセシルを”特別だ”と思ってくれているという事だけ――

「(…クリスマスって、いいね…)」

セシルはその存在を確かめるように、また、耳を飾る小さな石に触れていた。























遅れてしまいましたが、クリスマスカイセシです。
あと、3000HIT御礼も兼ねて…本当に有難うございました!
クリスマス文は続きがありますが…そちらは初R指定で書きたいなぁ、と思ってます。
先の展開が気になる方は拍手ボタンでも拍手コメントでも書いてやって下さい。(でも多分こっそり公開すると思います。たいしたものにはなりませんが…)
もちろん、普通の拍手も大感激です。
今年度は当サイトを応援していただき、有難うございました。来年度も宜しくお願い致します。
皆様、良いお年を…

2008.12.29 (c)rlrl.

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