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本当は、人肌恋しい。
5月8日に某所で晒したバツスコ文です。話的には589組ですが、9の出番が最初しかないです。すいません。。。
旅慣れしてるから、というバッツの言葉を信じてここまで進んだのだが…
「ったくさー、バッツ地図の見方わかんねーなら最初から言えよな~!!おかげでここどこだよ!?」
むしろ地図を見ながらの旅に慣れているジタンは地図を広げながら現在位置を確認しようとしている。
当のバッツ本人は「いやぁ~、悪い悪い!」と本当に悪いと思っているのかと疑うほどにあっけらかんとしている。
「っつーかこんな森の中にクリスタルがある訳ないじゃん!」
「なーに言ってんだよ!”木を隠すなら森”っていうだろ?」
「ってここ本当に森じゃん!樹海じゃんか!!」
そう、ここは鬱蒼(うっそう)と茂る森の中。
どこをどう間違えたらこんな場所に辿り着くのか……一緒にいるスコールはまだ一言も話していないが、相当頭が痛そうだ。
「ほら、俺の相棒のボコがさー」
と、相棒のチョコボの話をし始めると、バッツの話は長い。
いつも何でも簡潔に事を済ませるバッツだが、ボコの話はとてつもなく長い。
そのまま延々と話されて、解放されたのが真夜中。
ジタンは早々に逃げてしまい、結局バッツの話を聞いていたのはスコールだけだった。
顔面蒼白でたまに「ああ…」という相槌を入れてくれるスコールが健気過ぎて泣けてくる。
やっと解放された時、スコールが深く深くため息をつくと、バッツが盛大なくしゃみをした。
「うぅ~、なんか寒くねぇか?」
「お前が薄着なんだろう」
「あ、そっか」
何で今まで気付かないんだ…とスコールが相変わらず頭の中で思っていると、バッツはじーっとスコールを見ている。
スコールを、というよりはスコールの上着を見ている。
「…なんだ」
「ん~……なぁ、スコール…」
そこでスコールはピン、と来た。物凄く嫌な顔をしてスコールは言った。
「上着は貸さないぞ」
「ケチィ~~~!!」
「自業自得だろ、それに寒いならもう天幕に戻ればいいだろう」
「スコールは寝ないのか?」
「俺はまだ武器の手入れが終わっていない。お前の話が長いからな」
皮肉も込めてそうスコールが言うと、バッツはまた「ぶぇっくしょん!!」と再び盛大にくしゃみをした。
「うぁ~!!寒いッ!!スコール頼むよぉ~~!!」
「な、何するんだっ!?」
「あ~もう!!こうなったら上着じゃなくてもいいっ!!スコール人間湯たんぽぉ~~!!」
「バカかアンタはッ!!そんな事したら真っ二つにするぞ!!」
最終手段でスコールに手を伸ばしてきたバッツを何とか阻止しようとバッツの肩を掴んで一定の距離を保っているが、案外バッツの力の方が上のようだ。
「(こ、こいつっ…!!なんてバカ力なんだっ……!!)」
スコールの震える両手が一瞬、力が緩んだ事に目を光らせたバッツは一気に畳み掛けるようにスコールに飛び掛ってきた。
「隙アリッー!!」
「いっ!?」
バッツが飛び込んで来た瞬間に後頭部を打ったのか、スコールは少し涙目になっていた。
そして倒れたスコールの上にはバッツが一緒に倒れ込んでいた。
「あっ…たけぇ~~vvv」
語尾にハートでもつきそうな程にじゃれ付くバッツにスコールは怒り心頭。
がっつりスコールに抱きついてジャケットのファーにすりすりと擦り寄る。
「(餌にあり付いたチョコボだな……)」
スコールはズキズキと痛む頭を抱えながら、そう思った。
2009.05.10 (c)rlrl.
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